Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
遼太郎がその感覚から逃げるようにみのりから視線を外すと、みのりの背中の向こう、ちょうどベッドに沿うように敷かれた一組の布団が目に入ってきた。
「……?」
どうしてそこに布団が敷かれているのだろう?
——俺をあっちに寝かせる予定だったのかな?なのに、俺が先生のベッドを奪ってしまったから……。
だから、みのりはあんなに小さくなってベッドの端で寝ていたのだろうか?
——いや、だったら、先生が布団で寝たらいいわけだし……。
「………あ」
そこまで考えて、遼太郎は気が付いた。
別々の寝床で寝られたにもかかわらず、みのりがあえて、子猫のように遼太郎の側に潜り込んできたということを。
それに気づいたとき、遼太郎はもうただ見つめているだけではいられなくなった。無意識のまま体が動いて、スヤスヤと穏やかな寝息を立てているみのりの唇に自分の唇を重ねていた。
愛しさが募って、胸が張り裂けそうになる。
この感情に圧し負けて、遼太郎は腕を伸ばしてみのりを抱きしめてしまう。
想いの捌け口を求めるように再びキスをし、もう一度キスを繰り返して……、
——これ以上はダメだ。先生が目を覚ましてしまう……。
遼太郎がそう思って渾身の力を振り絞り、それ以上の欲求を我慢して唇を離した時だった。
みのりの両腕がそっと動いて、遼太郎の首に回された。