Rhapsody in Love 〜二人の休日〜




古庄は、遼太郎がここにいてくれて本当に良かったと思った。仮にみのりと二人きりでここに来ても、この蘊蓄(うんちく)に付き合える自信が、古庄にはなかった。


「それに、遼ちゃん。もうすでに埋まってるのよ?」


「え?」


「ここに並んでるのは、埋まってないけど、ここの斜面。この落ち葉や土の下に無数の五輪塔があるんだと思う」


「えっ!この足の下にもですか?」


「うん。発掘してみないと、どのくらいの規模かは分かんないけど、この並び方を見るとたくさんあるんじゃない?古い時代のお墓のあり方や葬り方を考えるとき、この場所の意義は大きいと思うのよ」


「今の発掘する前の状態が見られたのは、貴重だったです。こんな山の中なのに、何を理由にここに葬ろうとしたんですかね」


「うーん…。そもそもここは周り全部山だけど、その中でも当時は開けた所だったのかもね。宝篋印塔やこの五輪塔群があるから、もしかしてお寺があった可能性もあるよね?」


「えっ!こんな所に?お寺?!」


「あくまでも私の見解だけど、山の上にはお城があったわけだし」


「これから発掘されて、研究されていって、先生が言ってることも解明されていくんですか?」


「そうだね。時間がかかるとは思うけど、それを成し遂げてくれる研究者がいればいいね」


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