Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
古庄はみのりのマニアックさに閉口してるのに、遼太郎はしっかり話の相手に成り得ている。
これは愛の力だろうか…。古庄は全く感心してしまった。
ある時は優秀な生徒と熱心な先生でもあり、ある時は頼れる彼氏と可愛い彼女でもあり。
古庄は二人を見ていると、とても不思議な気分になった。
「さあ、ここはこれくらいにして。古庄先生?城跡は、ここから登っていくのよね?」
古庄はみのりから話を振られて、少し考えてから口を開いた。
「うん。確かに、ここから登っていくんだけど。ねえさんの足じゃ、暗くなるまでに下りて来られないかもしれない」
それは、ここまで歩いてくる間のみのりの頼りない足取りを見ての、古庄の見解だった。
「……え……」
念願の場所に行けることに、ワクワクして輝いていたみのりの表情が、一瞬にして曇った。
「今の時期は日の入りも早いし、山の中は本当に真っ暗になるし、それに日が沈むと冷え込みも半端ない」
なんの装備もなく、暗くなった山の中にいることは、とても危険なことなのだ。
みのりは残念そうな感情を漂わせ、唇を噛み、苦渋の決断する。
「……それじゃ、無理しない方がいいね。古庄先生や遼ちゃんに迷惑かけるわけにはいかないもん……」
〝諦める〟という常識的な大人の判断。
みのりは極めて適切な意思を示した。古庄もその方がいいと思っているのだろう。残念な面持ちながら、異は唱えなかった。