Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
「本当によく、これを発見できたと思う。そもそもここに目星をつけてないと詳しく調査はしないだろうし、見つかった時は、藪の中のただの石にしか見えなかっただろうから」
みのりは写真を撮りながら、側にいる遼太郎に語りかけた。すると、遼太郎はみのりへ、そもそもの質問をする。
「先生。素朴な疑問なんですけど、どうして石があるだけで城があったって判るんですか?」
遼太郎が興味を持ってくれてることに、みのりも嬉しそうに笑みをこぼす。
「石が並んでると、礎石建物があったことが判るけど、こんな不便な山の上に家なんて建てないでしょ?こんな所に掘立小屋じゃなくて礎石を使うような建物なんて、ほぼお城に違いないからよ」
「じゃあ、ここに天守閣があったんですか?」
「確かに天守は礎石建物に違いないけど、天守だともっと大きな礎石だよね。それに、いわゆるお城の天守閣は織田信長くらいから作られるようになったの。ここのお城は、それより100年くらい古いし、戦国大名の本城でもないから、天守はなかったと思う。高い櫓くらいはあったかもしれないけど、ここに櫓を作ったと思う?」
「うーん…。俺なら、もっと高い…山の頂に作りますね」
「そうだよね。だから、頂上付近を調査すると、もっといろいろ遺構が出てくるよ。多分山全体が要塞だったんだと思う」