Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
だけど、遼太郎自身の感覚と古庄の感覚は違う。古庄がみのりのことを〝かわいい〟と思うのと、遼太郎が可愛いと思って抱きしめたくなるのとは違う。
それは、みのりが古庄のことを信頼し、〝イケメン〟とは言っていても、男性として愛しているわけではないのと、同じなのかもしれない。
すると、古庄が遼太郎の思考を読んでいるかのように続けた。
「多分、ねえさんも俺のことをそんなふうに思ってるんじゃないかな?お互いの間に恋愛感情なんて厄介なものを介在させない。だから却って、こうやって誤解されるくらい親しくできてるんだと思うよ」
「厄介なもの……なんですか?」
「少なくとも俺にとってはね。この面のおかげで、関わる女性のほとんどは、初めからその感情ありきなんだ。一方的に熱烈に好きになられたり、振り回されたり、恋愛に関してはいい思い出がない」
「ああ……」
遼太郎が、それに関しては納得したように頷いた。その様子を、古庄が掘り下げる。
「なんだ。狩野くんもそんな経験したことあるんだな?」
突っ込まれたことを問われて、遼太郎も肩をすくめる。
「大学で少しだけ同級生と付き合ったことがあるんですけど、そのときがそんな感じでした」
「へぇ、高校生の時からねえさん一筋なのかと思ってたけど、そうじゃなかったんだ?」