Rhapsody in Love 〜二人の休日〜



「いや、高校生の時からずっと先生のことは好きだったんですけど、いろいろ事情があって……」


遼太郎の表情が切なくなって、唇を噛む。
その事情には触れられたくないようで、古庄も地雷を踏んでしまったことを自覚する。


「まあ、過去はどうであれ、狩野くんは今、ねえさんみたいな人とこうやって恋人同士なんだから。並大抵の男じゃできないことだよ。自信持っていい」


慰めるように古庄が言ったことに、遼太郎は首を捻る。


「先生と付き合うのは、並大抵じゃないってことですか?」


どうして古庄がそう思っているのか、知りたかった。

思いの外、深い話になってしまって、古庄は自分の頭の中を整理するために、缶の中に残っていたビールを飲み干して少し考えた。


「普段のねえさんは明るくて朗らかで面白い人だけど……、薄っぺらい人間じゃない。すごく奥深くて賢い人だよ。それに、人の気持ちを先回りしてまで考えてくれる、優しすぎる人だ。愛情も深いから、自己犠牲をしてまで相手のために行動する。そうかと思うと、感受性が豊かで、自分を偽れないところもある。そして、とても繊細な人だから、とても傷つきやすい。だから、行動が読めないところがあるし、何気ない一言を気にしすぎたりする。——難しい!!……難しいよ。そんな女性(ひと)を、並の男の手に負えるはずがない」


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