窓の向こう側では、大勢の人が歩いている。



きっと、ほとんどの人が旅行者だろう。



「混んでるね、道」



沈黙を破ろうと思ったけど、大したことは言えなかった。



「でもさ、それも文化じゃない?」



「え?」



(渋滞が?)



「さっきの、伝統がどうのって話」



「ああ、さっきの」



どうやら、私が言ったことについて、ずっと考えてくれていたようだった。





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