そう言われて、初めて、とても疲れていたことに気がついた。



思えば朝からずっと、定時で帰らなきゃ、とか、彼は間に合うだろうか、とか、容態はどうなんだろうとか、ハラハラしっぱなしの一日だったのだもの。



疲れていて当たり前なのかも。



たとえば、熱っぽいなと思っているときは平気でも、いざ体温計で測って発熱していることを確かめると、その途端にだるさが倍増することがある。



今まさしく、そんな気分だった。



体が重くて、立っていられないほど、だるい。



戸締りの確認を母にお願いして、先に休ませてもらった。



―…それなのに全然眠れなかったのは、やはり無意識に、気が張っていたからなのだろうか。



少しずつ外が明るくなってきて、やがて新聞配達の原付の音が聞こえたとき、それを目覚まし代わりに、ベッドから出た。



ギンギンの私を見て、やがて起きてきた母が苦笑いをした。



「リュウくんの怪我、たいしたことないんでしょう?もっとしっかりしなさい」



そうなんだけど、心配なものは心配なのだ。









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