冷酷な軍人は没落令嬢をこよなく愛す
会いたかった人(香世side)
真子ちゃんが遊びに来てくれて夕方近くまで賑やかな時間を過ごしたせいか、
1人になって少し寂しさを感じてしまう。
夕飯時に女中の1人が顔を出し、
『お夕飯はお好きに食べて下さい』と言われ
2人は帰って行った。
2人の女中からは、私の存在を良く思われて無い事は初めから分かっている。
この家に居る立場さえはっきりしない私に、
三食作って貰うのも気が引けるし…
正臣様が居なければほっとかれても仕方がないと思う。
食材も無く、夕暮れ時に1人で敷地内から出る事もためらわれ、
一食くらい食べなくても平気だと、
早めに入浴をしてひたすらお帰りを待つ事にする。
9時過ぎにうとうととしてしまい、
寝ない様にとわざわざ火鉢から離れた寒い場所に座り、ひたすら借りた本を読んでいた。
外で車のエンジン音がしてハッと思い、
立ち上がりパタパタと小走りで廊下を急ぐ。
玄関前で人影を確認して歩み寄る。
一瞬、正臣様じゃなかったらどうしようと
声をかけてみる。
「正臣様、ですか?」
「ああ、そうだ。」
ホッとして急いで鍵を開ける。
「お帰りなさいませ。お勤めお疲れ様でございました。」
頭を下げて出迎える。
この人の声を聞くだけで、どうしてこんなにも安心するのだろう。
1人になって少し寂しさを感じてしまう。
夕飯時に女中の1人が顔を出し、
『お夕飯はお好きに食べて下さい』と言われ
2人は帰って行った。
2人の女中からは、私の存在を良く思われて無い事は初めから分かっている。
この家に居る立場さえはっきりしない私に、
三食作って貰うのも気が引けるし…
正臣様が居なければほっとかれても仕方がないと思う。
食材も無く、夕暮れ時に1人で敷地内から出る事もためらわれ、
一食くらい食べなくても平気だと、
早めに入浴をしてひたすらお帰りを待つ事にする。
9時過ぎにうとうととしてしまい、
寝ない様にとわざわざ火鉢から離れた寒い場所に座り、ひたすら借りた本を読んでいた。
外で車のエンジン音がしてハッと思い、
立ち上がりパタパタと小走りで廊下を急ぐ。
玄関前で人影を確認して歩み寄る。
一瞬、正臣様じゃなかったらどうしようと
声をかけてみる。
「正臣様、ですか?」
「ああ、そうだ。」
ホッとして急いで鍵を開ける。
「お帰りなさいませ。お勤めお疲れ様でございました。」
頭を下げて出迎える。
この人の声を聞くだけで、どうしてこんなにも安心するのだろう。