悪役令嬢は友人の恋の行方が気になる
社交シーズンが終わっても、王宮で仕事を持つバイロン侯爵家は領地には帰らない。代わりに領地は領主代理として侯爵の弟が治めていた。
昨年まではステファニーは領地に行き、マリアのいるグロリス領と行き来したりしていたが、今年はそうもいかない。マリアには会いたいし、お茶会の誘いも来ていたが、会ってしまうと計画をポロリと話してしまうかもしれないと(主に王太子が)懸念していたので、会う事は叶わなかった。

マリアの事は王太子や近衛騎士がステファニーに報告してくれる。マリアはステファニーが王太子妃教育を受けているだろうと思っているだろうが、それについての質問はされていない、と聞いていた。
『信じて』と手紙には書いているが、マリアは信じてくれているだろうか。
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