庇護欲強めの彼に守られ、愛されました
「やっと会えた。返事をくれなかった罰として、俺……ひどいことをしそう」

 ニヤリと笑った顔を間近で目にした私は、この人がドラゴンアイだと確信して背筋が凍った。
 ジリッと一歩後ずさって距離を取ったけれど、恐怖で足がすくんでしまっている。
 膝も手もひどく震えてきて、これ以上詰め寄ってこられたら尻もちをついて転びそうだ。

「本当は俺が来るのを待ってた? 今日ずっとドキドキしてたんだろ?」

「……や、やめて」

 もっと大きな声を出して助けを求めなければと思うのに、恐怖で喉の奥が詰まって、蚊の鳴くような小さな声しか出せない。

「それは花怜ちゃん次第だ。俺を拒絶しなければ怖い思いはしなくて済む」

 ニヤニヤとした気味の悪い笑みをたたえる男に対して吐き気まで(もよお)してきたが、どことなくその顔に見覚えがあると気付いた。
 以前に会ったことがあるのか、それとも私がまるっきり人違いをしているのか、今の段階でははっきりとはわからない。

「とりあえず、俺と一緒に来い」

 左の手首を強く掴まれて、持っていたパンフレットの束がバサリと足元に落ちる。
 戦慄のあまり、私はギュッと目をつぶって抵抗した。

「離して!!」

 やっと大きな声が出たその瞬間、私の左手は解放され、目の前の男が「うっ!」という苦しそうな声を上げた。
 どうしてそうなったのか詳しくは不明だが、ドラゴンアイは右腕を後ろに捻り上げられ、うつ伏せの状態で地面に組み敷かれている。

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