庇護欲強めの彼に守られ、愛されました
「警察を呼んでください」

 なにごとかと走ってきたイベントの責任者である私の上司に、静かな声音でそう伝えたのは剣崎さんだった。
 馬乗りの状態でドラゴンアイの背中に圧力をかけ、身動きが取れないようにしている。

「大人しくしろよ、ストーカー」

「痛い!! お前、誰だよ!」

「俺か? 彼女の恋人だ!」

 剣崎さんのそばまで行き、人目もはばからずその場にへたり込んだ。
 彼はドラゴンアイを余裕で取り押さえたまま、私に微笑みかける。
 その笑顔を目にした瞬間、安堵してボロボロと涙があふれた。

「剣崎さん……どうしてここに?」

「お節介なのはわかってたけど君のことが心配でたまらくて、気が付いたらここに来ていた」

 今朝玄関先で会ったときも、彼はひどく渋い表情で、まるで行くなとでも言いたげな面持ちだった。
 ストーカー行為について相談をしたときからずっと、今日のことを心配してくれていたのだと思う。

「悪い。君を抱きしめたいんだが、今はあいにく手が塞がってる。危ないから警察が来るまで下がっててほしい」

 ドラゴンアイは剣崎さんからどうにか逃れようと、地面でジタバタともがいていた。
 そして時折、私のほうへ睨むような視線を送ってくる。

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