庇護欲強めの彼に守られ、愛されました
「もしかして、ミニマリストなんですか?」

「……そうなのかもな。俺、物欲がないから。このほうが掃除もしやすい」

 ラグの上に適当に座るように促されて腰を下ろすと、剣崎さんは備え付けのクローゼットの扉を開けて、白いビニール袋を取り出した。
 そのときに少しだけ中が見えたのだけれど、何着もの服がハンガーにかかっていたから、洋服の数に関しては人並みみたいだ。

「手首、本当に違和感はない? 動かしたら痛いとか……」

「大丈夫です。この痕もすぐに消えますよ」

「捻ってなくてよかったけど、炎症してる可能性もあるから湿布をしよう」

 ビニール袋の中身は冷湿布だった。
 剣崎さんは対面に座り、手際よく湿布のフィルムを剥がして私の手首にそれを巻いた。

「慣れてますね」

「仕事柄、傷や打ち身は付きものだから」

 そんな言葉を聞いてしまうと、しょっちゅう怪我をしているのかと心配になってくる。
 今日だって、相手がもしも武器を所持していたら無事でいられなかったかもしれない。

「今日、ずっと私を警護してくれたんですよね? 支払いをさせてください」

「君からは正式に依頼を受けてない。俺が勝手にやったことだ」

「でも……」

< 20 / 23 >

この作品をシェア

pagetop