宮野くんに伝えたい想い~夢の世界から戻る方法は『好き』を伝え合うこと
夏休みになったら噂の場所に行こうって話になった。
今日は夏休みの初日。
お昼ご飯を食べ終わったら新井くんが家まで迎えに来てくれる予定。
準備を終えて、壁の時計を見るとちょうど午後1時。
リビングの窓から外を覗いたら新井くんが自転車にまたがりながらこっちを見ていた。手を振り、ショルダーバッグを持ち、あわてて外に出る。
「地図見せて!」
「うん」
新井くんに地図を渡した。
「よし、覚えた。行こうか!」
「うん」
返された地図のメモ紙をバッグにしまい、私も自転車に乗った。
新井くんの後ろをついて行く感じ。だって、もらった地図、道がちょっと複雑で全部覚えていなかったから。
新井くんは覚えているっぽい。
地図をあれから一度も見ていないのに、すらすらと迷わないで進んでいる。
止まるのは信号の前でぐらい。
すごい! 彼の頭の中には、地図の道がはっきり描いてあるのかな?
30分ぐらいたつと目的地についた。
生まれた時からずっと住んでいる街の中にある公園だけど、多分、初めて来る公園。
駐輪場があったからふたりの自転車をそこに停めた。
公園っていっても遊具とかはなくて、散歩出来る感じの大きな公園。
駐輪場から見える場所に池がある。
地図によると池の横を通って、右に曲がって、更に奥に進み……。最後に木のイラストが円を描くように5つある。その木に囲まれた場所に星のマークはあった。
地図の通りに進んでいくと、木が円になるようにぎっしり生えていて、真ん中は草が生えているだけで何もない場所が見えてきた。
そこに、見覚えのあるふたりが。
「えっ?」
わたしは思わず声をもらす。
だって――。
「小松さん、どうしたの?」
「あれ、見て?」
今日は夏休みの初日。
お昼ご飯を食べ終わったら新井くんが家まで迎えに来てくれる予定。
準備を終えて、壁の時計を見るとちょうど午後1時。
リビングの窓から外を覗いたら新井くんが自転車にまたがりながらこっちを見ていた。手を振り、ショルダーバッグを持ち、あわてて外に出る。
「地図見せて!」
「うん」
新井くんに地図を渡した。
「よし、覚えた。行こうか!」
「うん」
返された地図のメモ紙をバッグにしまい、私も自転車に乗った。
新井くんの後ろをついて行く感じ。だって、もらった地図、道がちょっと複雑で全部覚えていなかったから。
新井くんは覚えているっぽい。
地図をあれから一度も見ていないのに、すらすらと迷わないで進んでいる。
止まるのは信号の前でぐらい。
すごい! 彼の頭の中には、地図の道がはっきり描いてあるのかな?
30分ぐらいたつと目的地についた。
生まれた時からずっと住んでいる街の中にある公園だけど、多分、初めて来る公園。
駐輪場があったからふたりの自転車をそこに停めた。
公園っていっても遊具とかはなくて、散歩出来る感じの大きな公園。
駐輪場から見える場所に池がある。
地図によると池の横を通って、右に曲がって、更に奥に進み……。最後に木のイラストが円を描くように5つある。その木に囲まれた場所に星のマークはあった。
地図の通りに進んでいくと、木が円になるようにぎっしり生えていて、真ん中は草が生えているだけで何もない場所が見えてきた。
そこに、見覚えのあるふたりが。
「えっ?」
わたしは思わず声をもらす。
だって――。
「小松さん、どうしたの?」
「あれ、見て?」