覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)
「なに、ぼーっと考えてたの?」

「いやあ、それが、課長は何故、私と結婚してもいいと思ったのかなと、ふと疑問に思いまして」

 衣茉は、どうして、この仕事が私に回ってきたんですか?
とあり得ない大役をいただいて上司に問うてみる、くらいの感じで訊いてみたのだが。

 珍しく八尋が動揺した。

 明子たちもただ黙って八尋を見つめている。

「……なんか……ちょうどよかったからだろう」
と言った八尋に、明子が、あ~っ、と言い、残念な人を見るような顔をする。

「ここで頑張ってください、課長。
 口下手なのは知ってますが。

 今、課長は試されています」

 いや、なにも試していません。

 純粋な興味です、と衣茉は思って、まっすぐに八尋を見つめるが。

 八尋は答えに(きゅう)してしまったようで、返事をしない。

 なので、衣茉から訊いてみた。
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