覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)
 衣茉が、じっと八尋を見上げると、八尋は、

 何故、こんなところで訊く……という顔をしながらも答えてくれた。

「……他の奴があのメッセージを送ってきてたんだったら、か。
 まあ、考えてはみるかもしれないが」

 八尋はチラと上を向いて考えたあとで、前を向き、
「まあ、却下かな」
と言う。

「なんでですか?」

「わからないが。
 なにやら却下な気配を感じる……」

 いや、気配を感じるって。
 あなたの心ひとつなんですよ。

 許可か、不許可かは。

「結果として、お前が言ってきたから、そう思うだけなのかもしれないが。

 今、別の奴が言ってきたとしても。
 お前以外はない気がする」

 おおっ。
 八尋が告白しているっ、と吉行は思っていたが。

 八尋はそうは思っていなかったし。

 衣茉にもいまいち伝わってはいなかった。
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