幸せを受け止めて~騎士団長は月夜に淑女をさらう~
ラファエルはギュンターのことをしばらくじっと見据えると
胸の内ポケットから1通の封筒を取り出した。
表紙には”invitation”と書かれている。

「ほんとに偶然なんだが、招待状を1通多く準備してしまって余ってたんだ。君がどこまでやれるか私も興味がある。良かったら持って行ってくれ。」
「ありがとう。恩に着る!」
ギュンターがラファエルからその手紙を受け取ると、
ラファエルはすかさずギュンターの手首を掴む。
「クララは歳が離れているせいか、私にとってもとても可愛い妹でね。あの子には幸せになってほしいと思っている。頼むよ。」
「もちろんだ。」

そのクールな雰囲気からラファエルは取っつきにくい奴だと感じていたが、
妹思いな一面を知って印象がずいぶん変わった。
ラファエルの気持ちに応えるためにも、絶対にクララの心を手に入れて見せると誓う
ギュンターなのだった。
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