夕日みたいな君と,時間を忘れて手を繋ぐ。
通えない人間がいる中,つらくても通う人間がいる中。
恥ずかしくないのか。
お前にいくらかけていると思っている。
毎日毎日,時折小さく爆発したり,俺の名前が挙がったり。
そんなことばかりだった。
家の手伝いだったものはほとんど全て弟の義務になり,風呂·米·皿·食卓の拭き仕事は最低限で,それを欠けばまた怒鳴り声が散った。
『こんなことも出来ないでどうするんや!! ああ?! どうやって生きていく? お前がやらないで誰がやると思ってんだ。ただで飯が食えると思うなよ……!!』
獣のような威嚇も,ガン飛ばす見開いた瞳も。
全てが恐ろしかった。
手があがるのも最早当たり前で。
『何避けてんだテメエ。痛い? 当たり前だろ,痛くしてんだよ,こうでもしねぇとわかんねぇだろうが……ッ!!!』