婚約破棄された王太子を慰めたら、業務命令のふりした溺愛が始まりました。2

23話 聖女の判定結果

 グラントリー様は証言台の後ろへ下がり、三大公爵たちとブリジット様の判定試験を担当した審判(ジャッジ)たちが会議室の中央へ出てきた。

 審判(ジャッジ)の後ろへ公爵たちが並び、準備が整うと国王陛下が声をかける。

「うむ、では試験を実施した順に結果を発表せよ」
「かしこまりました。それではルノルマン公爵家嫡男ロイス・ルノルマンからご報告申し上げます」

 ロイス様は手にしていた書類をめくり、報告書を読み上げた。

「この度、ルノルマン家の認定試験は公平を期すため、同じ内容の試験を準備いたしました。ブリジット嬢は王都を視察し、いかに素晴らしい治世であるかレポートを提出されました。また孤児院においても善良的な貴族としてご対応いただきました。最後にお茶会の場では、聖女という立場を踏まえて高貴な振る舞いをされております」

 そこまで聞いて、私がこなした認定試験と内容は同じだけど、着眼点がかなり違うようだと感じた。
 私の場合は大きな騒ぎを起こしてしまったけれど、本当だったらブリジット様のような答えを求められていたのかもしれない。

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