クールな救急医は囲い娶ったかりそめ妻に滾る溺愛を刻む【ドクター兄弟シリーズ】
全身を走る痛みで起きたのは、深夜二時。
救急で投与された鎮痛剤が切れてきたのだ。

ナースコールをして薬を追加してもらったものの、目が冴(さ)えてしまって眠れない。

どこからか聞こえてくるピッピッという心電図音に、不安が煽(あお)られてしまう。


「あの子、大丈夫かな……」


手術がどうなったかわからなくて心配が募る。

思いがけず大変な一日になってしまった。

あのとき、なりふり構わずトラックの前につっこんでいったのは、両親を交通事故で亡くしているからだ。


あれは高校二年の、ちょうどこのくらいの暑い時季の日曜日。
両親が乗った自家用車がわき見運転のトラックに正面から衝突され、ふたりとも即死だった。

親子三人、仲がいい家族で、しばしば一緒に買い物にも出かけていたけれど、その日私は友人と外出していて難を逃れた。

< 13 / 53 >

この作品をシェア

pagetop