クールな救急医は囲い娶ったかりそめ妻に滾る溺愛を刻む【ドクター兄弟シリーズ】
両親をそろって亡くしたダメージは計り知れず、それからしばらくの間の記憶がないほどだ。


遠縁の親戚に助けてもらいながら、なんとか高校を卒業。

コーヒー通だった両親の影響でコーヒーが大好きだった私は、『プレジール』というシアトル発の人気カフェチェーンに就職した。

それから五年。
二十三歳になるまで勤めていた神奈川県の店舗から、東京都内にある店に一週間ほど前に配置換えになったばかりだ。


「助かったよね、きっと」


窓から見えるきらめく星を見上げながら、天国の両親に話しかける。

男の子が意識を失ったときは気が動転していて、もっとうまく助けられたのではないかと涙が流れた。

でも、天沢先生や看護師たちに『吉木さんが助けなければ、あの子は亡くなっていましたよ』と言われて、できることはしたと思うようにした。

そうでなければ心がつぶれてしまいそうだからだ。


仕事、どうしよう。

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