クールな救急医は囲い娶ったかりそめ妻に滾る溺愛を刻む【ドクター兄弟シリーズ】
まさか下の名前で呼べと?
「えっと……」
「婚約者なんだから、よそよそしくしてるとすぐに嘘だとばれるぞ」
藤野さん対策というわけか。
「でも、家の中なら問題ないかと」
そもそも婚約者の振りだってずっと続けてもらうわけにはいかないだろう。
「とっさに切り替えられるほど器用には見えないけどな」
図星だ。自分でもそう思う。
「和奏、練習してごらん?」
サラッと和奏と呼び捨てされて、心臓がバクッと大きな音を立てた。
「でも」
「俺が婚約者じゃ不満?」
「そんなわけ……」
不満どころか私にはもったいないような人だ。
とはいえ、今日お世話になるだけなのに必要だとは思えない。
「ほら、呼んでみて」
私を見つめる彼の視線が熱いのは気のせいだろうか。
妙に色気漂う甘い声でささやかれて、おまけに耳元に口を近づけられて「ねぇ」と促されては言われるがままになってしまう。
「こ、こ……皓河さん」
「照れてるの? 耳真っ赤」
耳朶(じだ)に触れられて体を震わせると、彼はクスクス笑った。
【試し読みここまで】
「えっと……」
「婚約者なんだから、よそよそしくしてるとすぐに嘘だとばれるぞ」
藤野さん対策というわけか。
「でも、家の中なら問題ないかと」
そもそも婚約者の振りだってずっと続けてもらうわけにはいかないだろう。
「とっさに切り替えられるほど器用には見えないけどな」
図星だ。自分でもそう思う。
「和奏、練習してごらん?」
サラッと和奏と呼び捨てされて、心臓がバクッと大きな音を立てた。
「でも」
「俺が婚約者じゃ不満?」
「そんなわけ……」
不満どころか私にはもったいないような人だ。
とはいえ、今日お世話になるだけなのに必要だとは思えない。
「ほら、呼んでみて」
私を見つめる彼の視線が熱いのは気のせいだろうか。
妙に色気漂う甘い声でささやかれて、おまけに耳元に口を近づけられて「ねぇ」と促されては言われるがままになってしまう。
「こ、こ……皓河さん」
「照れてるの? 耳真っ赤」
耳朶(じだ)に触れられて体を震わせると、彼はクスクス笑った。
【試し読みここまで】


