彼女の夫 【番外編】あり
彼女は・・もう帰っただろうか。
デスクの椅子から立ち上がり、窓辺から隣のビルを見下ろす。
でもここは30階だから、彼女のクリニックの様子は分からない。
・・会いたい。
どうしてだろう。
しばらく、恋愛ごとからは距離を置こうと考えていた。
相手の望むように時間は作れないし、気の利いた言葉を口にする器用さもなく、どうしたって仕事が優先になってしまうから。
それなのに・・。
また顔が見たい。声が聞きたい。
俺に触れて、そして・・笑いかけてほしい。
たとえそれが、他の誰かに向けるものと同じだとしても、俺が・・それを求めているから。
上着を手にし、衝動的に社長室を出る。
「高澤、今日は送ってくれなくていい。急用ができたから・・お疲れさま」
「え? あ、はい」
そのまま、オフィスを後にしてエレベーターに乗った。
さすがに今日行ったら、彼女は驚くよな。
会いたくて来たと伝えたら、どんな顔をするだろうか。
ふっ・・と笑みが漏れた。
もし困った表情を浮かべたら、すぐに帰ってもう会わなければいい。
だけど、そうじゃなければ・・。
そうじゃなければ、俺はどうするつもりだ?
クリニックの手前で中の様子を伺うと、彼女はもう白衣姿ではなく、受付で何か書き物をしているようだった。
もう少し近づくと、彼女ひとりだけに見える。
コンコンコン。
入口のドアを小さくノックしてみる。
俺に気づいた彼女が顔を上げ、こちらに近づいてきた。
デスクの椅子から立ち上がり、窓辺から隣のビルを見下ろす。
でもここは30階だから、彼女のクリニックの様子は分からない。
・・会いたい。
どうしてだろう。
しばらく、恋愛ごとからは距離を置こうと考えていた。
相手の望むように時間は作れないし、気の利いた言葉を口にする器用さもなく、どうしたって仕事が優先になってしまうから。
それなのに・・。
また顔が見たい。声が聞きたい。
俺に触れて、そして・・笑いかけてほしい。
たとえそれが、他の誰かに向けるものと同じだとしても、俺が・・それを求めているから。
上着を手にし、衝動的に社長室を出る。
「高澤、今日は送ってくれなくていい。急用ができたから・・お疲れさま」
「え? あ、はい」
そのまま、オフィスを後にしてエレベーターに乗った。
さすがに今日行ったら、彼女は驚くよな。
会いたくて来たと伝えたら、どんな顔をするだろうか。
ふっ・・と笑みが漏れた。
もし困った表情を浮かべたら、すぐに帰ってもう会わなければいい。
だけど、そうじゃなければ・・。
そうじゃなければ、俺はどうするつもりだ?
クリニックの手前で中の様子を伺うと、彼女はもう白衣姿ではなく、受付で何か書き物をしているようだった。
もう少し近づくと、彼女ひとりだけに見える。
コンコンコン。
入口のドアを小さくノックしてみる。
俺に気づいた彼女が顔を上げ、こちらに近づいてきた。