彼女の夫 【番外編】あり
えっ・・。

早坂・・先・・生?

なぜ、ここに・・。


「服部さん・・」

「・・はい」

「あの・・・・私も・・会いたくて・・」


え・・今、何て言った?


「・・でも・・俺が行った時・・」

「・・ごめんなさい・・。あの時は、本当に混乱してしまって・・」

「それは・・どうして?」

「・・・・だって、服部さんみたいな素敵な人が私に・・そんなこと、ありえないって思っ───」


彼女が言い終える前に、俺は彼女をパーティションの陰に引き寄せて、ぎゅうっと抱き締めた。


嘘じゃ・・ないよな?


それを確かめるように、彼女の首元に顔をうずめる。
香り、呼吸、そして・・早くなる心音を感じていた。


「服部・・さん?」

「・・・・はい」


返事をするだけの俺に、彼女がそっと背中に手を回して撫でてくれた。


「そうだ。・・ちょっと待っててもらえますか?」

俺は彼女から少しだけ離れて、高澤に電話をした。
東京駅での合流に変えても問題ないかを、確認したくて。

『大丈夫です。では後ほど・・遅れないでくださいね』


持っていたバッグと電話の様子で、彼女は俺がこれから出張だと察したらしい。

「忙しい時に来てしまって、ごめんなさい・・」

「そんなことありません。嬉し過ぎて、名古屋に行くのが嫌になりました」

俺はもう一度彼女を抱き締めて、耳元で『蒼さん』と呼んだ。
初めて彼女の名前を見た時から、いつか名前を呼んでみたいと思っていた。


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