彼女の夫 【番外編】あり
「はい」
俺の呼びかけに、彼女は小さく返事をしてくれた。
これからは、彼女を名前で呼んでいい存在になったように思えて、気持ちが舞い上がった。
「名古屋行き、誰か他のヤツに頼めば良かった・・って、いま本気で思ってます」
「ふふっ。でも服部さんが行かないと、困る人たちがいるんでしょう? もし良ければ、東京駅まで見送ります」
俺を見上げ、彼女はそう言って微笑んだ。
あー・・。
「行きたくないけど、仕方ない・・か」
俺は彼女を解放し、右手にバッグを持ち、左手で彼女の手を握ってエントランスを出た。
「蒼さん、なぜあそこにいたんですか?」
タクシーで東京駅に向かいながら、エントランスにいた理由を彼女に尋ねる。
「それは・・」
俺が『服部トレーディング』の社員であることしか知らなかったから。
今日はクリニックが休診日で、会社員の俺をつかまえるチャンスは、平日の今日しかないと思ったから。
彼女はそう言った。
「それはそうなんだけど・・。俺を見つけられない可能性だってあったのに。カルテの連絡先に電話しようとか考えなかったんですか?」
「会えない時は・・・・諦めようと思ってたから。連絡先は、個人的な理由で使ってはダメなんです」
真面目な彼女に思わず苦笑いしつつも、俺は左側に座っている彼女の右手を握る。
もう、お互いに諦める必要はないのだと、気持ちがふっと軽くなった。
俺の呼びかけに、彼女は小さく返事をしてくれた。
これからは、彼女を名前で呼んでいい存在になったように思えて、気持ちが舞い上がった。
「名古屋行き、誰か他のヤツに頼めば良かった・・って、いま本気で思ってます」
「ふふっ。でも服部さんが行かないと、困る人たちがいるんでしょう? もし良ければ、東京駅まで見送ります」
俺を見上げ、彼女はそう言って微笑んだ。
あー・・。
「行きたくないけど、仕方ない・・か」
俺は彼女を解放し、右手にバッグを持ち、左手で彼女の手を握ってエントランスを出た。
「蒼さん、なぜあそこにいたんですか?」
タクシーで東京駅に向かいながら、エントランスにいた理由を彼女に尋ねる。
「それは・・」
俺が『服部トレーディング』の社員であることしか知らなかったから。
今日はクリニックが休診日で、会社員の俺をつかまえるチャンスは、平日の今日しかないと思ったから。
彼女はそう言った。
「それはそうなんだけど・・。俺を見つけられない可能性だってあったのに。カルテの連絡先に電話しようとか考えなかったんですか?」
「会えない時は・・・・諦めようと思ってたから。連絡先は、個人的な理由で使ってはダメなんです」
真面目な彼女に思わず苦笑いしつつも、俺は左側に座っている彼女の右手を握る。
もう、お互いに諦める必要はないのだと、気持ちがふっと軽くなった。