彼女の夫 【番外編】あり
これでようやく2年前の整理がついたんじゃないかと思う。
目元はまだ赤いものの、彼女も落ち着いたようだった。

「玲生さん・・もう、大丈夫」

「うん。蒼、俺さ、蒼と一緒に探したいものがあるんだ」

「え、探したいもの? 何かな・・」

「ロサンゼルスで、蒼と一緒に暮らす家を探したい」

彼女は目を見開いた。
何の冗談かと言わんばかりだ。

「俺、もう蒼と離れるのは嫌なんだ。ここで蒼と暮らす」

「嫌って・・仕事はどうするの? 玲生さん社長でしょう?」

「うん」

「『うん』って、そんな簡単そうに・・」

似た者同士だなと思う。
まるで、家族の前で話をした時の自分を見ているようだ。

「そうしろって言ってくれたのは、俺の家族なんだ。
俺はね、社長を辞めてもいいって言ったんだよ。それくらい、蒼を大事に思ってるって。
そしたらさ、ロサンゼルスで社長やればいいだけだとか、社長辞めてロサンゼルス行くなんて彼女がどう思うんだ、自分を責めたらどうするつもりだとか言うわけだよ」

「そういう問題じゃないと思う・・」

「だけどうちの家族にとっては、そういう問題なんだよ。だから、蒼も前向きに考えてくれると嬉しいんだけど」

「もう・・キャパオーバーです・・」

彼女は苦笑いする。
そんな彼女を、俺はもう一度抱き締めて『蒼と離れたくないんだ』と伝えた。

「病院の近くだったら・・考えてもいいけど」

それを聞き、俺はすぐにエージェントに連絡を入れた。


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