彼女の夫 【番外編】あり
「乾杯」

俺が泊まっているホテルの部屋で、夕食はルームサービスを手配した。

何軒か家を見て回り少し疲れたのと、クルマの運転があると飲めないからと彼女が気遣ってくれたのだ。

「病院近くに家が見つかって良かった・・。契約は弁護士に依頼したし、蒼の引っ越しもすぐ手配する。俺も、家の準備が整い次第行くよ」

「・・・・本当にいいの? 私がそうさせたみたいで、やっぱり───」

その後の言葉を、俺はキスで塞いだ。
『やっぱり』の後に、何を言うつもりだったのか想像がついたから。

もう、離れないと決めたのだ。

部屋には彼女とふたりきりで、アルコールも入り始めたら、そのキスは必然的に深いものになる。


「・・んっ・・玲生・・っ」


彼女の髪に指を差し込み、そのまま首筋に滑らせる。
ぴくん、と彼女の背筋が震えた。

理性がグラグラと揺れ始める。
2年分の思いを溢れさせてしまったら、彼女を抱き潰してしまいそうなのに。

甘やかな彼女の香りや手触りに、だんだん抑えが効かなくなってきた。


「・・玲生・・反応しすぎても、引かないで・・」


潤んだ瞳で見上げられたら、もう止めようもない。

「俺も、多分無理だ・・・・抑える自信が無い」

そのまま彼女をベッドルームに連れて行き、薄明かりの灯るベッドの上に組み敷いた。


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