彼女の夫 【番外編】あり
「じゃあ、仕事頑張って。明日はいつ終わる?」

「8時くらいかな。玲生さん、送ってくれてありがとう」

「8時か・・。朝、迎えに来るよ」

『ええっ』と驚く彼女に手を振り、俺はクルマのエンジンをかけた。

明日は、彼女を迎えに行ってホテルに戻り、睡眠を取ってもらう。
夕方には一緒に移動して、レセプション用にドレスアップしてもらう手筈を整えていた。

彼女には、まだ何も話していない。
彼女をエスコートしてレセプションに出ることすら、まだ数人しか知らない。

親父のことは、いつ彼女に話そうか。
余計な緊張をさせたくないから、夕方の移動の時だろうか。

全ては、彼女が受け入れてくれる前提で物事を進めているものの、拒まれたらどうするかな・・。

「ま、その時はその時・・だな」

アクセルをグッと踏み込み、ホテルまでの道を走った。


部屋に戻ると、ロサンゼルスに着いたばかりの高澤が廊下で待っていた。

「社長、お待たせしました」

「お疲れさま。会長は? 一緒じゃなかったのか?」

「先にお部屋までお送りしました。機内であまりお休みになれなかったようで、少し寝たいからと」

「そうか・・ありがとう。明日のレセプションの招待客を確認したいから、中に入って」

部屋に招き入れ、1時間ほど高澤と打ち合わせをしながら全ての招待客を確認した。
驚いたのは、その中にあの編集者が含まれていたことだ。

ロサンゼルスまで・・何しに?


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