彼女の夫 【番外編】あり
幸い、彼女の後任がすぐに決まったこともあり、1か月ほどで彼女も日本に帰れることになった。

「良かったな。そしたら・・・・蒼と暮らす新居を本格的に手配するか・・。蒼、仕事はどうする?」

「あー・・・・。実は服部さんに・・お父さまにお願いしちゃった。もし日本に帰ってくる気があるのなら、友人が院長をしている総合病院があるから話をするよ・・って言ってくださって」

「・・蒼こそ勝手に決めてる。決める前に話して・・って言ったのは、蒼なのに・・」

「ごめん。ね? ほんとにごめん」

俺は拗ねたフリをしたものの、心の中で親父に感謝した。
もしかしたら、彼女が日本に帰る意思があるということを、親父は感じていたのかもしれない。

「あの病院の近くか・・。徒歩圏内で広めのマンション、売りに出てるかなー」

「え? 玲生さん、いま住んでるところはどうするの? あそこも買ったんじゃ・・」

「そんなの、蒼が気にすることじゃないよ。夜勤もするなら病院の近くに住んでほしいし、俺もそこで一緒に暮らしたいと思ってるだけだから。家に要望があれば何でも言って。大抵のことは叶えられる」

サラリと言った俺に、彼女は『セレブ発言』と苦笑する。
でもこれで、彼女との未来がかなり鮮明なものになった気がした。

そうだ、新居の他に日本でもうひとつ手配しなければ・・。


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