だからこの恋心は消すことにした。
5.想い
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アランとの会話により、淡い期待を抱いた数日後。
私はカイとエイダンと共に離宮のある王都から離れ、隣街ユルへと任務で訪れていた。
以前から問題になっていた魔物関連の任務の為に、だ。
この街で多発する魔物関連の事件。その対応に今、この街担当の魔法使いたちが追われているのだが、数の多さ、そして強さにより被害が膨れ上がっているらしい。
そこでこの国お抱えの最高階級の魔法使いたちの出番という訳だ。
今回の任務は1週間と長丁場を予定している。
当然、魔法使いたちにもこなさなければならない予定があり、1週間もの間、離宮を離れ、任務に当たるのは非常に難しい。
何とかいろいろなところに手を回し、時には協力を仰ぎ、予定を調整した結果、今回の任務に参加できたのはカイとエイダンだけだった。
「2人とも1週間と長丁場ですがどうぞよろしくお願いします」
王都とは違い、異国情緒のある街並みをカイとエイダンと歩きながら、私は両隣の2人に交互に視線を向ける。
「もちろん!任せてよ、ラナ!」
するとカイはいつもの明るい表情で、
「…まあ、やれるだけやるよ」
エイダンはどこか気怠げにそう言った。
この2人の様子からわかるようにカイは任務に協力的で、エイダンはあまり乗り気ではない。
カイは無条件で今回の任務に参加してくれたが、エイダンはもちろんきちんと条件付きで今回の任務に参加していた。