だからこの恋心は消すことにした。
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カイは自己犠牲が強く、アランは決して自分を見せず、マテオは自己中心的。
そしてエイダンは何よりも人が嫌がることが好き。
魔法使いたちはみな、一癖も二癖もある性格だ。
そんな彼らの中からエイダンを好きになってしまった。
理由はわからない。
だけどある日突然彼のことが好きだと気づいてしまった。
エイダンに気持ちがバレてからエイダンは私に会う度に私に近づき「気持ち悪い」と時には満足げに時には不愉快そうに言っていた。
エイダンが何を考えているのかわからない。
気持ち悪いのなら放っておいて欲しいのに彼は放っておいてくれない。
もう私の気持ちは消えたのかと試すように近づき、苦しそうな私を見て楽しみ、そしてまだ消えていない恋心に心底不愉快そうにする。
そんな状況が何度も何度も繰り返され、ついに私は限界を迎えてしまった。
私は1人深夜にただただ胸が苦しくて自分の部屋で泣いていた。
「う、うゔ…っ」
こんな気持ち消してしまいたい。
エイダンを不快に思わせる私の思いなんて…。
どのくらい泣き続けたのだろうか。
自分でもよくわからないほど泣いていると控えめに私の部屋の扉がノックされた。
「…ラナ、入るよ」
私の部屋の扉を開けたのはカイだった。
その後ろにはアランもいる。
「泣かないで、ラナ」
心配そうにカイが微笑んで私の涙を指で拭う。
「カ、カイ…、あ、ありがとうございます」
何とか涙を止めたいのだが止まらない。
今まで我慢してきた分、ストッパーが外れたみたいに溢れてくる。
カイたちもいるし、もう泣き止みたいのに。
そんな私の目元にカイは唇を寄せた。
そしてチュッ、チュッと音を立てながら何度も私の涙を吸い取ってくれた。
「無理を言ってごめんね。泣いてもいいよ。ラナの涙は俺が全部吸い取るからね」
「うっ、あ…」
甘い笑顔を向けられてそんなことをされると流石に涙が引っ込んだ。
心臓に悪い美少年だ。