ちびっこ聖女は悪魔姫~禁忌の子ですが、魔王パパと過保護従者に愛されすぎて困ってます!?~

 ルイーズがおもむろにグウェナエルの方を振り向いた。

 そのまま駆けてきたルイーズに、グウェナエルはぎゅっと抱きつかれる。

「ルゥも、そうだから。ホントはもっとずっとパパと一緒にいたいけど、パパは忙しいから我慢してた。それは、リュカも同じだよね」

「っ……ぼく、は」

「ねえ、リュカ。ルゥはね、もっとリュカの気持ち、ぶつけてもいいと思うよ」

 おずおずと立ち上がったリュカは、一歩二歩とエヴラールから離れる。いつものように俯き、胸の前で震えた両手を握りしめた。

「……なにか私に、言いたいことがあるのか?」

「あ、う」

 エヴラールから尋ねてもなお、リュカは言葉を詰まらせる。

 その様子にやはり難しいかと思われたが、息子の表情の変化をしっかり見つめているエヴラールはいつものように急かしたりはしなかった。

「っ──ぼく、ずっと言えなかったことが、あって」

 それが功を奏したのか、やがて彼は意を決したように言葉を紡ぎだした。

 震えながら顔を上げたリュカと、色を映したエヴラールの瞳が絡み合う。

「ぼくは……父上みたいに、なりたいんです」

「私のように……?」

「はい。父上のような、民を笑顔にできる〝王〟になりたいんです……っ!」

 声は、消え入りそうなほど小さなものだった。

 それでも真っ直ぐエヴラールを見据えながらぶつけられた想いに、エヴラールはハッと息を呑んだ。吃驚と当惑に満ちた双眸が、息子を見つめ返す。

「だ、だから、あの、ぼくはもっと父上とお話してみたいし、いろいろ勉強もしたいんです。父上はいつもまだはやいって言うけど……でもっ」

「リュカ」
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