大嫌いなキミに愛をささやく日
「いや、だって……!」



俺の目の前にいる凜の「お父さん」。

その人はビックリするくらいに……若かった。



「初めまして。凜の父の三田 真(まこと)です。いつも凜がお世話になってるね」

「あ、初めまして。鳳条煌人です。こちらこそお世話になってます」

「……」

「……あの?」



ジッと俺を見る「お父さん」こと――真さん。

「君が煌人くんか」とニコリと笑みを浮かべた。



「凛からいつも話を聞いているよ。勉強で凜より上をいくなんて、すごい事だ。君は相当の努力家なんだね」

「いや、そうでもないですけど……」



遠慮して言うと、凜がギロリと睨んで俺を見た。

努力をせずに私に勝ったの?と。

そう言わんばかりの顔だ。
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