大嫌いなキミに愛をささやく日
「凛さんと切磋琢磨できるので、いつも良い刺激を貰っています」



当たり障りのない言葉で返すと、真さんは「ふぅん」とニヤリと笑った。

まるで好青年のような黒い髪の毛に、スッキリした顔だち。

スーツもオシャレに着こなしている。



「(これだけオシャレな(=高い)スーツを買って着ているって事は……すごい給料が良いんだろうな。どこの有名企業に勤めてんだよ。

ってか、何でお父さんなんだよ。三者面談って、普通はお母さんが来るんじゃねーの?)」



もしかして――親バカ?



失礼を承知で予想していると、凜が「あのね」と、俺と真さんの会話に入ってくる。



「煌人が、お父さんの作った唐揚げが美味しいって言ってくれたよ!」

「! ば、今言うんじゃねぇよ!」



なんか恥ずかしいだろうが!

顔を赤くする俺の事は二の次で、凜は真さんの傍に寄る。
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