大嫌いなキミに愛をささやく日
無言のまま、私はスッと視線を逸らした。

教室の騒々しい声だけを聞きたくて、一度だけ深呼吸をする。



「はぁ~……本当、」



早くクラス替えしたい、なんて。

私にしてはしつこいくらい、何度も何度も同じことを思った。









下校時間。

いつもの場所に、ナル先輩は立っていた。



「すみません、お待たせしました」

「ううん。じゃあ帰ろうか」

「はい」



ニコリと笑ってくれたナル先輩を見て、固まっていた心臓が少しずつほぐれていく。給食時間のアレが、少し癒された。



「湯がいた鳥のササミがほぐれてく、まさにあの感覚……」

「え、ササミ?凛ちゃん料理するの?」

「え、はい。たまに手伝うくらいですけど」



ナル先輩は「それでもすごいよ」と私の頭を撫でる。



「凛ちゃんは真面目だよね。部活に入ってなくて放課後は自由なのに、真っすぐ家に帰って料理の手伝いをするんでしょ?」
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