愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
楽しげな声が波音に混ざって聞こえ、海の方に視線を戻した。
眼下にはレストランのテラスの明かりが見え、滞在二日目に成美も楽しんだステージショーが繰り広げられている。
声はディナー客のもののようで、海沿いに建ち並んだ他の観光ホテルでもきっと多くの客たちが夜を楽しんでいるのだろう。
海にはサンセットクルーズを終えて戻る途中と思われる観光船も見え、ハワイの夜に寂しい雰囲気は似合わない。
ひとりぼっちではないと思ったら、沈みそうだった気持ちが盛り返す。
(私にできるのは藤江さんを信じることだけ。お仕事だと言うなら、きっとそうなんだ)
「今夜は遅くなっても待っていようかな」
独り言をそっと呟いたら、突然後ろから誰かに抱きしめられた。
「そんなに寂しかった? ひとりにしてごめんね」
心臓が口から飛び出しそうなほど驚いて、短い悲鳴を上げた。
「キャッ! あ、藤江さん。お帰りなさい。物音がしなかったので気づけませんでした」
体に回される腕とくっつきそうな距離にある彼の頬に鼓動が高まる。
「驚かせたくて、静かにドアを開けたんだ」
眼下にはレストランのテラスの明かりが見え、滞在二日目に成美も楽しんだステージショーが繰り広げられている。
声はディナー客のもののようで、海沿いに建ち並んだ他の観光ホテルでもきっと多くの客たちが夜を楽しんでいるのだろう。
海にはサンセットクルーズを終えて戻る途中と思われる観光船も見え、ハワイの夜に寂しい雰囲気は似合わない。
ひとりぼっちではないと思ったら、沈みそうだった気持ちが盛り返す。
(私にできるのは藤江さんを信じることだけ。お仕事だと言うなら、きっとそうなんだ)
「今夜は遅くなっても待っていようかな」
独り言をそっと呟いたら、突然後ろから誰かに抱きしめられた。
「そんなに寂しかった? ひとりにしてごめんね」
心臓が口から飛び出しそうなほど驚いて、短い悲鳴を上げた。
「キャッ! あ、藤江さん。お帰りなさい。物音がしなかったので気づけませんでした」
体に回される腕とくっつきそうな距離にある彼の頬に鼓動が高まる。
「驚かせたくて、静かにドアを開けたんだ」