愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
「成美もお疲れ様。いつも夕食の支度をさせて悪いわね」
夕食を作るのは早く帰宅した方と決めている。
税理士の会計事務所で事務員として働いている母の方が職場が遠いので、成美が台所に立つ機会が多かった。
「少しも悪くないよ。気にしないで。今日は暑いから冷やし中華にしたの。あとは麺をゆでるだけだから座って待っていてね」
ゆで上がった麺を冷水にさらして中華皿に盛り、トマトとキュウリ、錦糸卵とハムをのせて醤油だれをかける。
基本の料理本に載っていそうなオーソドックスな冷やし中華が完成し、母と座卓に向かい合って正座する。
食事中にテレビをつけないのは成美が生まれた時からの家族のルールで、「いただきます」と手を合わせた後は静かな居間に麺をすする音だけが響いた。
十分ほどしてほぼ同時に食べ終え、ふたり分の食器を片づけようと腰を浮かせたら母に止められた。
「待って。片づけはお母さんがする。その前に、成美に聞いてもらいたい話があるの」
「うん……?」
改まってなんだろうと思いながら座り直すと、母が言いにくそうに切り出す。
「実は今日、あなたにお見合いの話をもらったのよ」
夕食を作るのは早く帰宅した方と決めている。
税理士の会計事務所で事務員として働いている母の方が職場が遠いので、成美が台所に立つ機会が多かった。
「少しも悪くないよ。気にしないで。今日は暑いから冷やし中華にしたの。あとは麺をゆでるだけだから座って待っていてね」
ゆで上がった麺を冷水にさらして中華皿に盛り、トマトとキュウリ、錦糸卵とハムをのせて醤油だれをかける。
基本の料理本に載っていそうなオーソドックスな冷やし中華が完成し、母と座卓に向かい合って正座する。
食事中にテレビをつけないのは成美が生まれた時からの家族のルールで、「いただきます」と手を合わせた後は静かな居間に麺をすする音だけが響いた。
十分ほどしてほぼ同時に食べ終え、ふたり分の食器を片づけようと腰を浮かせたら母に止められた。
「待って。片づけはお母さんがする。その前に、成美に聞いてもらいたい話があるの」
「うん……?」
改まってなんだろうと思いながら座り直すと、母が言いにくそうに切り出す。
「実は今日、あなたにお見合いの話をもらったのよ」