愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
「えっ、お見合い!?」

二十六歳の成美は結婚適齢期なのかもしれないが、異性に恋愛感情を抱いたことはなく、交際経験もない。

自分は結婚に無縁の人生を送るだろうと漠然と考えていたので、突然の見合い話に成美は目を丸くした。

「驚かせてごめんなさいね」と謝り、母は経緯を話す。

『美人で年頃のお嬢さんに、ぜひ会ってほしい方がいるんだ』

今日の仕事終わりに税理士事務所の代表――母が〝先生〟と呼んでいる五十代の税理士からそう言われたという。

これまで成美の職場の男性たちから何度か可愛いと言われたことがあるけれど、すべてお世辞と受け止めて、自分では人並の容姿だと思っている。

色白の肌に卵形の顔、二重の普通の目と高すぎず低すぎない鼻に特徴のない唇。

どこをとっても美人だと思えない。

一度も会ったことのない税理士の先生がどうして成美を美人だと思ったのか不思議に思い、母が断らずに見合い話を持ち帰ったことにはもっと疑問を感じた。

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