愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
自転車操業のようにあちこちの消費者金融からキャッシングして返済するのを繰り返していたら、ついにどうにもならない借金地獄に陥った。
誇りだった警察官の仕事を辞め、家族の前からも姿を消したのは、精神的にかなり追い詰められていたからだろう。
手紙には離婚して縁を切ることくらいしかしてあげられず申し訳ないという謝罪が綴られていた。
まだ十六歳の子供だった成美はショックで泣くばかりだったが、母は強く、すぐに問題解決に向けて動き出した。
借金は返さなければ相手方に申し訳ないと債務整理して返済までの道筋を作り、離婚届は出さずに父の帰りを待つという選択をしたのだ。
『完済すれば、きっとお父さんは帰ってくるよ。どうして相談してくれなかったのかと文句をぶつけて、その後は笑顔でお帰りなさいと言ってあげたい』
母のその言葉に勇気づけられた成美は、自分も借金返済のために働くと申し出た。
定時制高校に転校してアルバイトをしながら高校に通い、卒業後に今の清掃会社に勤めて母と借金を返し続けている。
完済まであと二十年ほどかかるので、自分の結婚など到底考えられなかった。
誇りだった警察官の仕事を辞め、家族の前からも姿を消したのは、精神的にかなり追い詰められていたからだろう。
手紙には離婚して縁を切ることくらいしかしてあげられず申し訳ないという謝罪が綴られていた。
まだ十六歳の子供だった成美はショックで泣くばかりだったが、母は強く、すぐに問題解決に向けて動き出した。
借金は返さなければ相手方に申し訳ないと債務整理して返済までの道筋を作り、離婚届は出さずに父の帰りを待つという選択をしたのだ。
『完済すれば、きっとお父さんは帰ってくるよ。どうして相談してくれなかったのかと文句をぶつけて、その後は笑顔でお帰りなさいと言ってあげたい』
母のその言葉に勇気づけられた成美は、自分も借金返済のために働くと申し出た。
定時制高校に転校してアルバイトをしながら高校に通い、卒業後に今の清掃会社に勤めて母と借金を返し続けている。
完済まであと二十年ほどかかるので、自分の結婚など到底考えられなかった。