愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
『きっとチクチクするのが嫌なんですよ。いつものスタイにしてください』

『せっかく買ったのに。つけているうちに慣れるだろ』

『慣れるまで不快な思いをさせるのは可哀想です』

『こんなに似合っているのに……仕方ないか』

結局朝陽が折れて、写真を撮ってから普段使いのスタイに取り換えた。

繰り返しの洗濯で色あせてしまったスタイでも、清香の愛らしさは少しも損なわれず、祖父母の目が細められた。

「清香ちゃん、今日はいいお洋服着ているのね。似合っていて可愛いわ」

朝陽の母に褒められた清香が、「あいっ」と元気に片手を上げた。

「もう返事ができるのか」

驚いているのは成美の父だ。

「パパに似て賢いのよ」

朝陽を含めて褒めたのは成美の母で、朝陽もまんざらでない顔をしている。

「バイバイも上手にできます。ハイハイはスピードが上がって、トイレに行こうとしてもすぐに追いつかれるんです。伝い歩きも始まりました。清香、テーブルにつかまって立っちしよう。みんなに歩くのを見てもらおう」

「あーうっ」

ソファの方では伝い歩きを披露する孫娘に、祖父母が歓声と拍手を送り盛り上がっている。

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