愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
六人掛けのダイニングテーブルに子供椅子と牧の席を足したので、狭く感じるほど賑やかだ。

まずは清香が飽きないうちにとバースデーソングを歌い、手作りケーキに一本立てたロウソクを朝陽が代わりに吹き消した。

清香は初めての体験に目を輝かせ、小さな手をパチパチと叩いている。

「清香ちゃん、お誕生日おめでとう。ばぁばがたくさんプレゼントを買ってきたからね」

張り切って大きな紙袋を渡そうとするから、朝陽が母親を止めた。

「母さん、ありがたいけどプレゼントは後で。今おもちゃを出したら、清香がご飯を食べなくなる」

「そうよね。ごめんなさい」

朝陽の母親が慌てて紙袋を椅子の後ろに隠し、息子に目を細めた。

「あなたはちゃんと父親をしているのね」

その言葉で朝陽が母親の隣の席を見た。

咳払いした父親がちらし寿司をひと口食べて「うまいな」と呟き、気まずそうだ。

清香の離乳食は朝陽が食べさせてくれたので、成美は自分の食事をゆっくり楽しめた。

用意した離乳食は少々量が多かったので、半分ほど残して清香が椅子を下りたがった。

「あーだっ」

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