愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
中はお菓子の詰め合わせと可愛いタオルハンカチで、メッセージカードにはお礼の言葉が綴られ、携帯電話の連絡先も記されていた。
迷ったけれど、プレゼントを受け取っておきながら無視はできないと思い、お礼の電話をかけた。
するとそれから度々デートに誘われて、断るのに苦労した。
その翌月には父が書き置きを残して失踪したため、彼について悩んでいる場合ではなくなり、いつの間にか連絡も途切れた。
「お礼の品選びは俺が付き合ったんだ。渡しに行く時もついて行って、少し離れた場所から見ていた」
「そうだったんですか。それで私を知っていたんですね」
「ああ。佑大は成美さんに深く感謝していたよ。可愛くて勇敢だと言っていたな」
「勇敢?」
「上級生に歯向かえば、学校で嫌がらせをされそうだと思うものだろう。それなのに成美さんは保身に走らず、なんの得もないのに赤の他人を助けた。勇敢できれいな心をしていると、話を聞いて俺も思った」
褒められて嬉しいが、正直に言うとそこまで考えていなかった。
迷ったけれど、プレゼントを受け取っておきながら無視はできないと思い、お礼の電話をかけた。
するとそれから度々デートに誘われて、断るのに苦労した。
その翌月には父が書き置きを残して失踪したため、彼について悩んでいる場合ではなくなり、いつの間にか連絡も途切れた。
「お礼の品選びは俺が付き合ったんだ。渡しに行く時もついて行って、少し離れた場所から見ていた」
「そうだったんですか。それで私を知っていたんですね」
「ああ。佑大は成美さんに深く感謝していたよ。可愛くて勇敢だと言っていたな」
「勇敢?」
「上級生に歯向かえば、学校で嫌がらせをされそうだと思うものだろう。それなのに成美さんは保身に走らず、なんの得もないのに赤の他人を助けた。勇敢できれいな心をしていると、話を聞いて俺も思った」
褒められて嬉しいが、正直に言うとそこまで考えていなかった。