愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
(どうしよう。気づかれたら恥ずかしい……)
成美の前に細長いグラスに入れられたきれいな青いカクテルが、朝陽の前には濃い琥珀色のブランデーが出された。
おそらく気づいているだろうが、店員は繋がれた手については触れずに一礼する。
「ごゆっくりどうぞ」
店員が完全に離れるのを待って、成美は真っ赤な困り顔を朝陽に向けた。
「手を離していただけますか?」
「断ると言ったら?」
「困るんです。藤江さんは慣れていらっしゃるのでしょうけど、私は……お付き合いしていない男女が手を繋いでいいのは小学生までだと思っています」
すると朝陽が手を離してくれたので、わかってもらえたと安堵した。
柔らかな笑みをたたえた彼が成美の目を覗き込む。
「順番が違うと言いたいんだね? もう少しデートを重ねてからの方が君は戸惑わないだろうと思っていたんだが、それなら今言おう。成美さん、俺と付き合って」
「あ、あの、そういう冗談にも私はうまく乗れないので――」
「冗談で交際を求めない。初めて君を見た時から惹かれている。女子高生の時の君だよ」
成美の前に細長いグラスに入れられたきれいな青いカクテルが、朝陽の前には濃い琥珀色のブランデーが出された。
おそらく気づいているだろうが、店員は繋がれた手については触れずに一礼する。
「ごゆっくりどうぞ」
店員が完全に離れるのを待って、成美は真っ赤な困り顔を朝陽に向けた。
「手を離していただけますか?」
「断ると言ったら?」
「困るんです。藤江さんは慣れていらっしゃるのでしょうけど、私は……お付き合いしていない男女が手を繋いでいいのは小学生までだと思っています」
すると朝陽が手を離してくれたので、わかってもらえたと安堵した。
柔らかな笑みをたたえた彼が成美の目を覗き込む。
「順番が違うと言いたいんだね? もう少しデートを重ねてからの方が君は戸惑わないだろうと思っていたんだが、それなら今言おう。成美さん、俺と付き合って」
「あ、あの、そういう冗談にも私はうまく乗れないので――」
「冗談で交際を求めない。初めて君を見た時から惹かれている。女子高生の時の君だよ」