悪役令嬢は最後に微笑む


 
「せ、いれ……」


「貴様らが大精霊と崇める存在だ。貴様らからは――悪魔なんて呼ばれていたがな」


「……っ!?」


「そんな!嘘よ!だって、あんたからはそんな力なんて感じない!神の道を書き換えて、私がその力を手にするはずなのに!!」
 

 絶望するアーサーに、焦り狂うファナがその場で暴れ出すのを汚れ物でも見るかのような目で見下すバルは止めを刺した。
 

「俺を侮辱するだけでなく、俺の大切な命の恩人であるリサリルを愚弄してきたこと……ただでは済まさぬ。使い手のその女も、力を横暴しようとしていたようだがここまでだな。使い手だけが聞こえる俺の声すらも聞こえない役立たずが果たして、この国の厄災をどうするのか。まあ、本日をもってこの国には加護は与えることはない。精々、己の慢心した力でなんとかするんだな」


「大精霊様!どうかお待ちを!!」


 最悪な現状を聞いて慌ててやって来た国王陛下も止めに入ったけど、バルは無視して私を抱き寄せた。



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