君の矢印【完】
「……いつの話ししてんだよ。あの頃の好きな人なんて日替わりだろ。」
頭を抱えて大きなため息をつかれた。
ってことは、今まで私はずっと勘違いしてたんだ…天音のこと好きじゃないんだね?
「でも…私は幼稚園からずっと変わらないもん…」
ずーーっと、律くんだけだもん。
後にも先にも律くんしか好きにならないもん。
「は、お前、目黒のことが好きなんじゃないの?」
「え!?私そんなこと言った!?」
なんで咲夜くん!?確かに私が話す男の人って、律くんか咲夜くんくらいかもだけど…
「…いや、なんとなく…」
バツの悪そうな顔をする律くん。
「…何それっ、律くんのバカっ」
大馬鹿者だよ!私の気持ちも知らないでっ。
「いこいだけには言われたくない。」
睨むと、それ以上の迫力で睨み返されてしまった。