ひとりでママになると決めたのに、一途な外交官の極上愛には敵わない
担当のスタイリストさんが来てすぐ、櫂人さんは所用があるからと部屋から出て行った。
用意してもらったワンピースを着て、髪型だけでなくメイクやネイルまでしてもらい、まるでお姫様に変身したような気分だ。
今の私を見て、彼はなんて言うのかな。
期待、とまではいかなくとも、彼の反応が気になってドキドキしていた。
それなのに、迎えに来た彼はなにも言わない。私の変身に気づいていないのかを疑いたくなるほど平然としている。
ヘアサロンを出て車へ戻り、再び助手席に乗り込んだ。
なんだか微妙にもやもやしてしまう。完全に肩透かしをくらった気分だ。
だからといってへそを曲げるなんてできるはずもなく、膝の上で両手をきゅっと握りしめる。
「参ったな……」
ぽつりと聞こえた声に横を向く。彼はハンドルに突っ伏していた。
いったいどうしたというのだろう。なにかトラブルでも?
「櫂人さん……?」
恐る恐る声をかけると彼は少しだけ顔をずらしこちらを見た。
目が合った瞬間、心臓が大きく跳ねた。
美しく並んだふたつのアーチに囲まれた瞳が、まるで星空を映した夜露のようにきらめいている。
甘い瞳にじっと見つめられ、心臓が一気にせわしなくなった。
「反則だ」
「え?」
「かわいすぎる。他の男に見せたくない」
「なっ!」
動揺する私に、彼は真横に伸びた男らしい眉を少し下げた。
「こんなに美しいきみを最初に見たのが俺じゃないなんて、それだけでショックだというのに、これからパーティ会場で他の男がきみを見るなんて……いっそこのままどこかに閉じ込めて……」
なにやら不穏なセリフが聞こえた気がして眉をひそめる。
櫂人さんがハンドルから体を起こした。
「ワンピースも髪型もよく似合ってる。まるで神話に出てくる女神様みたいだ」
「めっ……言い過ぎです!」
大げさな賞賛に一気に顔が熱くなる。
たしかに、ふんわりと編み込まれたハーフアップと背中で波打つ巻き髪は、上品かつ華やかな雰囲気で、このワンピースにもしっくりマッチしていると思う。
けれどさすがに『女神様』は褒めすぎだ。褒めるならスタイリストさんだ。地味な私をここまでにできるなんてすごい。
用意してもらったワンピースを着て、髪型だけでなくメイクやネイルまでしてもらい、まるでお姫様に変身したような気分だ。
今の私を見て、彼はなんて言うのかな。
期待、とまではいかなくとも、彼の反応が気になってドキドキしていた。
それなのに、迎えに来た彼はなにも言わない。私の変身に気づいていないのかを疑いたくなるほど平然としている。
ヘアサロンを出て車へ戻り、再び助手席に乗り込んだ。
なんだか微妙にもやもやしてしまう。完全に肩透かしをくらった気分だ。
だからといってへそを曲げるなんてできるはずもなく、膝の上で両手をきゅっと握りしめる。
「参ったな……」
ぽつりと聞こえた声に横を向く。彼はハンドルに突っ伏していた。
いったいどうしたというのだろう。なにかトラブルでも?
「櫂人さん……?」
恐る恐る声をかけると彼は少しだけ顔をずらしこちらを見た。
目が合った瞬間、心臓が大きく跳ねた。
美しく並んだふたつのアーチに囲まれた瞳が、まるで星空を映した夜露のようにきらめいている。
甘い瞳にじっと見つめられ、心臓が一気にせわしなくなった。
「反則だ」
「え?」
「かわいすぎる。他の男に見せたくない」
「なっ!」
動揺する私に、彼は真横に伸びた男らしい眉を少し下げた。
「こんなに美しいきみを最初に見たのが俺じゃないなんて、それだけでショックだというのに、これからパーティ会場で他の男がきみを見るなんて……いっそこのままどこかに閉じ込めて……」
なにやら不穏なセリフが聞こえた気がして眉をひそめる。
櫂人さんがハンドルから体を起こした。
「ワンピースも髪型もよく似合ってる。まるで神話に出てくる女神様みたいだ」
「めっ……言い過ぎです!」
大げさな賞賛に一気に顔が熱くなる。
たしかに、ふんわりと編み込まれたハーフアップと背中で波打つ巻き髪は、上品かつ華やかな雰囲気で、このワンピースにもしっくりマッチしていると思う。
けれどさすがに『女神様』は褒めすぎだ。褒めるならスタイリストさんだ。地味な私をここまでにできるなんてすごい。