イケメンドクター今世も梅香の君にめぐりあいて再び愛す
「こいつの母親の耳に看護師から話が入らないように徹底しろ。心配かけるのはこいつが一番嫌がることだ。後は全部俺に任せろ。いいな」
光琉のすごい剣幕にあかりは驚いたが、紫をじっと見つめおでこを撫でると彼女は出て行った。
紫はふと気がついて目を開けた。
そこは、以前も見たことのある風景だった。
「ここは……」
呟くと、自分の右手が温かい。
目線を下に動かしてみると、ベッドの横で光琉が紫の手を握ったまま眠っている。
周りを見渡すと思い出した。
そうだ、前に怪我してここで入院していた。特別室。また来ちゃったのか……私って馬鹿だな。
紫はぼんやりそんなことを思った。