危険な彼に焦がれて
「どうする?」
声をかけられ、そこで思考はストップした。
「……分かった。あなたのところに行かせてもらうから」
「交渉成立だね。じゃあ、行こうか」
何故か手を繋がれた。
そのまま歩き出し、私はされるがままの状態でついていった。
*
「ここが俺の家だよ」
家……?
ここが……?
目の前にそびえ立つ家はどう考えても、お金持ちが住んでいそうな豪邸だった。
私の家とは全然違う……
「どうしたの?」
「ここ、本当にあなたの家なの?」
「そうだよ」
愚かな質問をしてしまった。
でも、信じられなかったから。
まさか、こんな豪邸に連れていかれるとは思ってもみなかった。