危険な彼に焦がれて


「どうする?」


声をかけられ、そこで思考はストップした。


「……分かった。あなたのところに行かせてもらうから」


「交渉成立だね。じゃあ、行こうか」


何故か手を繋がれた。


そのまま歩き出し、私はされるがままの状態でついていった。





「ここが俺の家だよ」


家……?


ここが……?


目の前にそびえ立つ家はどう考えても、お金持ちが住んでいそうな豪邸だった。


私の家とは全然違う……


「どうしたの?」


「ここ、本当にあなたの家なの?」


「そうだよ」


愚かな質問をしてしまった。


でも、信じられなかったから。


まさか、こんな豪邸に連れていかれるとは思ってもみなかった。

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