危険な彼に焦がれて
「あっ、珠那ちゃん!」
前方から私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
この声……
「愛美」
「わぁ~、やっぱり珠那ちゃんだ!すっごい偶然だね~!」
確認すると、やっぱり愛美だった。
嬉しそうな顔をしながら愛美が私の方に駆け寄ってくる。
「あれっ、制服?今日って土曜日だけど、もしかして学校あったの!?」
「いや、学校はないけど。私服を全部洗濯機に回してて、制服しか着るものがなかったから」
嘘をついた。
多分捨てられたとは何となく言いづらい。
そもそも、愛美には何も説明していないから。
家族のことも借金のことも。
「そうなんだ~!でも、珠那ちゃんの私服姿見たかったなぁ……」
残念そうな顔をされ、怪訝に思う。
何で、残念そうなの……?