危険な彼に焦がれて


「気を取り直して。ねぇ、珠那ちゃん。フルーツパンケーキ食べてみなよ。美味しいよ」


「……なら、ひと口もらってもいい?」


「ひと口とは言わず、何口でも食べていいよ」


フォークを差し出した優雅さんを訝しげに見る。


「自分で食べるけど」


「まぁ、いいから。口開けて?」


何が、いいからなのか全然分からない。


何考えているの、優雅さんは……


断るのが面倒くさくなった私は渋々口を開けた。


何故か優雅さんにあーんをされ、口の中に入ったパンケーキを咀嚼する。


「どう?珠那ちゃん」


「ん、美味しい」


「だよね?やっぱり美味しいものはシェアしないと」


愛美と似たようなこと言っているな……


もぐもぐ口を動かしながらそんなことを思う。


「あ、珠那ちゃん。クリームが口の端に付いてるよ」


優雅さんから指摘され、どっちについているかも分からないまま拭おうとしたけど、その前に優雅さんに拭い取られてしまった。

< 63 / 72 >

この作品をシェア

pagetop